「最近の若いモンは・・・」
こう言う年配の方って多くないですか?
筆者も昔言われた事あります。
相手は「団塊の世代」、ちょうど高度成長期の世代ですね。
で、この「団塊の世代」の方も、かつて「最近の若いモンは…」と言われていたはずです。
その時の相手って戦争を経験した「戦前生まれ」。
戦前生まれの方って厳格なイメージないですか?
戦前の若者のイメージってこんな感じ・・・
「皆、純粋で素朴ですれてない。」
「皆、一致団結して一つの目標に取り組んだ。」
「娯楽がなくて貧乏だから、皆必死で勉学や奉仕作業に取り組んだ。」
これが本当なら、平和ボケしたわれわれの体たらくにあきれる気持ちも分かります。
しかし、戦前の方の若い頃の事なんて誰も知らないのに、今の若者だけそういう言われ方するのって不公平ですよね?
なので、今回筆者は「昭和初期の若者」に焦点を絞って徹底的に調べ上げました。
昔の若者は本当に立派だったか?

この記事は当時の人間や風潮、国策などを批判する記事ではありません。
また、思想・主義を主張する記事でもありません。
あくまで「最近の若いモンは…」と根拠のないマウントを取る、昔人間に対するアンチテーゼ作品として楽しんで頂けたら嬉しいです。
今回の記事はブロック別に分けて、各冒頭で「当時のイメージ」をお伝えしてから、解説を進めていく方式でやっていきます。
初めての試みなので、お見苦しかったらすみません。
こども・小学生
対して昔の子供はサッパリしており、争いが起きてもその場で解決するので、問題になる事は少なかった。
ニュースになる事がなかった子供の問題
戦前、子供同士のトラブルがニュースになる事は少なかったです。
あまりに多すぎて!!
今ならニュースで大スクープになるであろう出来事が、当時は日常茶飯事すぎていちいち報道してられない。
新聞の記事、一行で済ませる事も多かったとか。当たり前すぎて…
現代の子供がいかにお利口さんか分かろうというものです。
モボ・モガの時代
特に女性の社会進出は目覚ましく、可憐で快活な女性はそのまま「良妻賢母」の道を進みます。
良妻賢母(りょうさいけんぼ)
妻として夫を立て、母として子供に確かな教育を施す、かしこい女性の事。
特に戦時中はこういう慎ましい女性になるよう励行された。
可憐なモダンガール
昭和初期、働く女性は羨望の的でした。
タイピストは女性の憧れの職業でした。
お洒落にかつスマートに仕事をこなします。
ただし、夜になると大変身!
○○団などと名乗って、デパートやカフェーでタカりやユスりをはたらきます。
・・・良妻賢母はどうするんや!!(笑)
旧制高等学校
特に旧制第一高等学校はのちの東大教養学部・千葉大医学部・薬学部あたります。
エリート軍団の奇跡
旧制高校生はエリートで花形でした。
ゆえに地域住民や警察官などにも甘やかされました。
何をやっても許されました。
すなわち、一番タチが悪かったです。
夜になると学生寮や旅館や道端でストームが起こります。
ストーム
学生300~400人規模で気勢を上げて大騒ぎする事。
かなり迷惑だったのは言うまでもない。
また、卒業時には先生方へのお礼参りがもれなく付いてきます。(笑)
近年の某大学のアメフトタックル問題などカワイイもんじゃないでしょうか??
憧れは「兵隊さん」
お国のために立派に働く!これぞ健全なる日本男児の鏡です。
いざ、徴兵検査へ!
あれだけ夢を語っていたのに、いざ徴兵検査が始まるとなると約2000名くらい行方不明になります。
前日に醤油ビンを一気飲みして肝臓に支障をきたす者や、当日体重が10キロ以上激減している者が続出!不合格者も続出です。
当時、男性の平均体重は右肩上がりだったのに、徴兵検査の時だけなぜか平均体重が下がります(笑)。
子供の頃の熱い想いはどこ行った??
ただし、これは初期の話であって、戦争末期になると兵隊不足になって根こそぎ動員。
その辺のオッサンまで動員されます(笑)。
戦時中は一致団結

戦時下になるとそれまでの華やかさは消え、言論も統制され、国の命令に背く人は「非国民」のレッテルを貼られ、村八分にされたといいます。
欲しがりません、勝つまでは!
戦時中のTwitter
戦時中にもツイッターがあったのですよ!
もちろん、スマホやアプリなどはありません。
公衆トイレの落書きです。
普段、口にできない本音をつぶやいていました。
ざっくりと紹介します。
- 天〇陛下が米食えて、なぜ俺は食えない?
- ソ連(当時敵対)の軍事力は世界一!
- 今すぐアメリカ・イギリスに謝れ!
- 日本が苦しいのは上の采配ミス、お前ら全員クビだ!
落書きは特高が捜査
この戦時版Twitterこと公衆トイレの落書きは、なんとあの「特高」が取り締まり捜査していたのです。
特高(とっこう)
特別高等警察のこと。
国家に反対する者を取り締まる「秘密警察」。
ただし、この「トイレ落書きを捜査する特高」については、あまりデータがないんですよ。
すみませんが、ここからは仮説になります。
筆者的には、治安維持法(国家に反対する者を容赦なくぶち込める法律)の象徴でもある天下の「特高」が、トイレの落書きごときで目くじら立てるかというと…
正直「?」なんですよね。
- 非国民が心底許せない。
- 仕事だからやっていた。
トイレの落書き捜査は「冤罪」が多かったようです。
つまり、②なのではと…。
冤罪(えんざい)
適当に犯人をでっち上げて、むりやり自白に追い込み、事件解決を図ること。
真に非国民を探す事よりも、適当に犯人をでっち上げて特高警察のメンツを守る事を優先したのではないかと…。
では、仮説②として「トイレ落書き事件」の捜査の様子を再現しましょう!
特高警察 VS 非国民
人呼んで「スッポンのごんべえ」と呼ばれている。
そうだ!適当に犯人をでっち上げよう!!
おい!貴様、ウエイターの斗緒琉(トオル)だな!
トイレの落書き、貴様だろ!
いま白状したら、松屋の「ネギたま牛めし」食わしたる!!

・・・こんな感じだったのかなと(笑)。
でも当時、特高の皆さんがトイレの落書きを見た時、どう思ったのでしょうか?
表面上は「けしからん!」と言っておいて、実は本心は…
「コイツら正論すぎ!ワロタ(^○^)」
が、本音だったのではないでしょうか?(笑)
まとめ

今回、戦前生まれの若者にスポットを当ててみました。
「戦前の人は純朴で一致団結していた。」というイメージを持っていましたが…
全部ウソじゃねーか!!
揃いも揃って、非国民だらけじゃねーか!!!(笑)
…でも筆者は正直ほっとしています。
なぜなら、皆が皆、同じ方向を向いていたら正直怖いというか気持ち悪いからです。
これらの方々は当時、相当お灸をすえられたでしょうが(笑)、今にして思えば「愛すべき不届き者」だったのではないでしょうか?
結局、今も昔も変わらないんですね。
ある程度の「威厳」を保たせるために、昔の人を美化していると筆者は推測しています。
ちなみに「前向きな意見」より「上司のメンツ」のほうが優先される悪しき伝統は、今の日本企業にもしっかり受け継がれています。
最後にひとつ…
筆者はこういう仕事をしていて、今の若い人の情報の速さや頭の良さに驚く事が多々あります。
筆者の若い頃とは比べものにならないです。
今の若い人たちには無限の可能性がある…
それだけは、若い人に伝えておきたいです!