2018年、滋賀県から3校出場した第90回選抜高校野球大会。
今回はその中の一校、彦根東高校にスポットを当てました。
2018(平成30)年・春 彦根東
前年(2017)年の夏、甲子園に出場して初勝利を挙げた彦根東はこの年の春も甲子園出場を果たし、夏春連続出場になりました。
彦根東、メンバー紹介
夏の甲子園のあと新チームになり、秋季滋賀大会で準決勝で敗れた彦根東は3位決定戦を制し、近畿大会に出場。
ベスト8で同じ滋賀県の近江に敗れますが、接戦を演じたことが評価されセンバツ大会に出場することになりました。
村中 隆之監督
村中 隆之(むらなか たかゆき)監督(当時49歳)は滋賀県長浜市生まれ。
虎姫高校から金沢大を経て1992年に北大津のコーチ、1997年に彦根翔陽の監督、そして2006年からは彦根東高校のコーチ→部長になり、2011年から同校の監督に就任しました。
エース・増居 翔太
前年夏、2年生エースで甲子園のマウンドに…。
130キロ台後半のストレートとスライダー、カーブ、チェンジアップなどの変化球を駆使した、まとまりのあるピッチャーです。
秋の公式戦、46回1/3投げて、防御率2.72、奪三振41、四死球14。
この大会ではエースとして大車輪の活躍をすることになります。
攻撃時の打順は8番でした。
1番ライト・宇野 圭一郎(3年)
秋の公式戦は脅威の.652(23打数15安打、7打点)
秋の大会では2番打者でしたが、甲子園ではトップバッターでした。
2番ショート・今井 怜央(3年)
.384(13打数5安打)、4打点
甲子園初戦では2安打でしたね。
3番セカンド・朝日 晴人(3年)
前年夏も甲子園を経験、秋は不動のトップバッターでしたが、この大会では初の3番に入って大活躍しましたね。
秋の公式戦.478(23打数11安打)、7打点。
4番キャッチャー・高内 希(3年・主将)
彦根東の攻守の要・キャプテンの高内(たかうち)選手です。
投手として入学し、前年の夏からキャッチャーに転向。
秋の公式戦.428(21打数9安打)、11打点はチームの打点王でした。
5番センター・野嵜 重太(3年)
甲子園初戦では4番に座った強肩センターです。
秋は.292(24打数7安打)4打点。
6番ファースト・山岡 右京(2年)
2年生でファーストを守る湖北ボーイズ出身の選手。
秋は.421(19打数8安打)4打点と当たっていました。
7番サード・川嶋 晴太(2年)
こちらも2年生でホットコーナーを守るガッツマンの川嶋選手。
秋は.133(15打数2安打)2打点と不調でした。
9番レフト・永井 結人(3年)
背番号16でしたが、甲子園ではスタメン出場。
2試合ともにヒットを放ちましたね。
夏春、2季連続甲子園出場の彦根東は1回戦が不戦勝、3月28日・大会5日目第一試合に登場しました。
相手は神奈川の慶応義塾高校です。
慶応義塾高校(神奈川)
慶応義塾は夏17度出場、春はこの大会で9度目の出場でした。
秋の秋季神奈川大会は準優勝(決勝0ー12東海大相模)、関東大会はベスト4、接戦を勝ち上って甲子園にやって来ました。
『陸の王者』の異名をもち、大応援団は有名ですよね。
1回戦 〇5-4拓大紅陵(千葉)
準々決勝〇3-2国学院栃木
準決勝 ●4-7明秀日立(茨城)
森林 貴彦監督
森林 貴彦(もりばやし たかひこ)監督は当時44歳。
同校OBで、そのまま慶応大へ進学。
2002年より同校コーチ→助監督を経て、2015年夏から監督に就任されました。
エンジョイ野球をモットーに、のちの2023(令和5)年の夏の選手権大会で優勝しましたね。
エース・生井 惇己(なまい じゅんき)投手
MAX143キロのストレートとタテ・ヨコ、2種類のスライダーで勝負するスマートな慶応ボーイ。
もともと三振が取れず悩んでいたが、前年秋から体重が増え威力が増し、51回を投げて61奪三振と量産した。
4番サード・下山 悠介(主将)
慶応義塾、打の中心は主将の下山選手。
高校通算12本塁打。
秋は.324(37打数12安打)4本塁打、6打点。
1番ショート・宮尾 将
高出塁率を誇るリードオフマン。
ショートの守備も俊敏で強肩ショートでしたね。
2回戦・彦根東ー慶応義塾
序盤は0-0
序盤は投手戦で静かに0-0のまま試合は中盤を迎えます。
5回表に彦根東は無死1・2塁のチャンスを迎えますが三振ゲッツーで無得点。
その後、試合は6回に動きます。
彦根東が先制点
5回のチャンスを逃した彦根東は続く6回表、今度は1死満塁のチャンスを迎えます。
ここで5番の山岡選手はセカンドゴロ…、ゲッツー崩れでなんとか1点を先制します。
7回裏に慶応が逆転
これまで彦根東・増居投手に抑えられていた慶應義塾は7回裏に8番・キャッチャーの善波 力(よしなみ つとむ)選手の右中間2点タイムリーで逆転!
ちなみに善波選手のお父さんの善波 達也さんは明治大学野球部の監督さんです。
今度は彦根東がひっくり返す!
1点を追うことになった彦根東は8回表、1死から3番・朝日選手がセンターへ3塁打。
その後、2死1・3塁となって、この日6番のキャプテン・高内選手がレフトポール際に起死回生の逆転3ランで4-2と今度は2点リードを奪います。
その裏、慶応義塾も5番・奥村選手のツーベースで1点差にして9回を迎えます。
4-3で彦根東逃げ切る!
彦根東・エースの増居投手は9回、最後の打者を三振に斬って取り、149球9奪三振で完投勝利。
4-3で彦根東の勝利。
彦根東は前年夏に続いて初戦突破、春は嬉しい初勝利を挙げました。
3回戦・彦根東ー花巻東
初戦を突破した彦根東は3月31日・大会9日目の第2試合でベスト8を賭け岩手県の花巻東(はなまきひがし)高校と対戦しました。
花巻東は菊池雄星選手や大谷翔平選手などの日本人メジャーリーガーを輩出した強豪校です。
春は6年ぶり3度目の出場で、夏は8回出場しています。
この両校は2013年の夏に対戦していて、この時は花巻東が9-5で勝っています。
果たしてリベンジなるか…、彦根東。
花巻東・佐々木 洋監督
花巻東の佐々木 洋(ささき ひろし)監督は当時42歳。
横浜隼人(よこはまはやと)高校、花巻東のコーチを経て、2002年から同校の監督に就任しました。
2009年の春は菊池雄星投手を擁して初優勝を目指しましたが、惜しくも準優勝に終わっています。
花巻東、わずか6球で投手交代
花巻東の先発は左の新田投手でしたが、ストライクが入らずわずか6球で2番手の伊藤 翼投手に交代してしまいました。
主役は増居投手
この日の主役は何といっても彦根東・増居 翔太投手です。
なんせ花巻東打線にヒットを許さない快投を見せます。
彦根東も得点できず…
彦根東は6回と7回にチャンスを迎えますが、守備妨害と相手の好守などで得点できず、お互いスコアボードにゼロを並べていきます。
ノーヒットピッチング
花巻東相手にノーヒットピッチングを続ける、彦根東・増居投手は8回表みずからヒットで出塁しますが得点には至らずそのまま0-0が続きます。
9回終わって無安打無失点
0-0のまま9回裏ツーアウト、花巻東の3番・阿部選手を三振。
これで増居投手は、9回14奪三振で無安打無失点。
もし味方の援護があれば大記録達成でした。
しかし、試合はそのまま延長に入ります。
彦根東、延長で力尽きる…
ノーヒットピッチングを続けていた増居投手は10回に入り、球数が増えてきたところを捉えられます。
ヒット2本と四球で無死満塁、最後は守備固めで途中出場していた花巻東・藤森 晃希選手にセンターに犠牲フライを打ち上げられ0-1でサヨナラ負け…。
なんともあっけない幕切れでした…。
う~~ん、全然負けた気がしなかったなぁ~、この試合は。
まとめ 2018センバツ・彦根東
2018年、春のセンバツ大会に出場した彦根東にスポットをあてました。
この大会の彦根東はやはりエースの増居翔太投手に尽きますね。
彦根東高校はこの大会以降、春・夏ともに甲子園から遠ざかってしまいます。
またアルプススタンドが真っ赤に染まる日が来るのを楽しみに待ちます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。