2018年、春のセンバツ大会には滋賀県から３校出場しましたね。
その先陣を切って登場したのが膳所（ぜぜ）高校になります。
今回は2018年春、久々に甲子園に登場した膳所高校にスポットを当てました。
第90回記念センバツ大会・膳所（2018年）
センバツに出場した膳所は大会２日目、石川県の日本航空石川（にほんこうくういしかわ）高校と対戦することになりました。
膳所高校のメンバー
では当時のメンバーをふり返っていきましょう～～。
上品 充朗（うえしな みつお）監督
指揮を執るのは上品 充朗（うえしな みつお）監督、当時48歳。
膳所高校で外野手として活躍。
その後、早大に進学。
1999（平成11）年、八日市南を強豪校に育て上げたのち2009（平成21）年に膳所高校の監督に就任しました。
エース・手塚 皓己（こうき）
エースは手塚皓己投手。
130キロ台のストレートとスライダーが武器です。
長身で手足が長いので球の出どころが分かりにくく、相手打者のタイミングを外す技術に長けていました。
１番キャッチャー・石川唯斗（主将）
チームのキーマンになります。
秋の大会は.357、６打点。
練習試合ではホームラン２本放ってます。
２番セカンド・有川 耀翔（かいと）
甲子園では２安打記録しました。
守備でも魅せましたね～。
３番サード・平井 嵩博
秋の大会は.230（13打数３安打）ながら、この日は守備で大活躍。
練習試合を含めるとチームNo.1の長打を放っています。
４番ファースト・川村 いつき
秋の大会は７打数ノーヒット。
しかしながら９四球を選ぶ出塁率の高さが決めてとなって４番に抜擢。
甲子園ではヒットを記録しました。
５番ライト・今井 竜大
秋は10打点でチームの打点王でした。
いかにランナーを貯めて彼に回すかがポイントでした。
６番レフト・星田 昌慶
チーム１の俊足との噂もありました。
秋は.250（８打数２安打）４打点。
７番センター・伊東 篤志
秋の大会では控えながら.364（11打数４安打）３打点。
甲子園ではスタメンでした。
背番号は18でしたね。
８番ピッチャー・手塚 皓己
８番にエースの手塚投手が入ります。
秋の公式戦では無安打（３打数０安打）でしたが、当たればどこまでも飛んでいきそうですな。
９番ショート・渡辺 大夢（ひろむ）
秋の大会は.333（12打数４安打）、３打点。
守備が課題でしたが、犠打はチーム１です。
古高 遼（ふるたか りょう）
チーム１の長打力！代打の切り札ですね。
甲子園では最終回に登場して四球で出塁しました。
優勝候補・日本航空石川
対する日本航空石川は前年夏に続いてこの春、北信越の王者として甲子園に乗り込んできました。
前年夏の甲子園メンバーが残り、特に打線が看板の強力チームでした。
日本航空石川は夏は２度（2009年、2017年）に出場していますが、春はこの年が初めての出場になりました。
2024年のセンバツ大会にも出場しますよね。
日本航空石川の歴史
日本航空石川高校は2003（平成15）年、パイロット・航空整備士の養成を目的に日本航空第二高校として開校。
2009年に現校名になりました。
これまで２度出場した夏の甲子園では、いずれも初戦突破しています。
２回戦 〇３－２明桜（秋田）
３回戦 ●５－12日本文理（新潟）
１回戦 〇６－５木更津総合（千葉）
２回戦 ●３－９花咲徳栄（埼玉）
中村 隆監督
中村 隆監督（当時35歳）は神戸広陵（兵庫）から明大に。
その後2007年に同校のコーチに就任すると、そのまま2015年から監督に就任されました。
おもなOBに元・千葉ロッテの角中勝也さんがいます。
2018年センバツへの道のり
日本航空石川は前年（2017年）の石川県秋季大会決勝でライバル・星稜に９－10で競り負け準優勝。
石川県２位で北信越大会に臨みます。
１回戦 〇４－０高岡商（富山）
準々決勝〇７－１日本文理（新潟）
準決勝 〇７－２富山商（富山）
決勝戦 〇10ー０星稜（石川）
センバツ出場に向けた北信越大会、初戦で先発したのは大会直前でベンチ入りした背番号18の１年生・重吉 翼（しげよし つばさ）投手でした。
高岡商相手に何と２安打・11奪三振の快投を見せ４－０の完封勝ち、日本航空石川はそのまま圧勝で北信越大会を勝ち上がります。
決勝戦では秋季大会決勝で打ち負けた星稜に10ー０の完勝で文句なしに北信越チャンピオンとして翌年のセンバツ大会に乗り込むことになりました。
日本航空石川の強力打線
北信越大会で合計28得点叩き出した看板の打線は健在です。
メンバーを紹介していきます。
３番センター・原田 竜聖（３年）
秋の公式戦.341（41打数14安打）、１本塁打、10打点です。
どの方向にも強い打球を飛ばせるのが強みでした。
前年、夏の甲子園では２試合で８打数５安打４打点の大暴れ。
４番レフト・上田 優哉（３年）
185センチ、95キロ。
秋の大会は実に.581（43打数25安打）、３本塁打、18打点。
問答無用の左の大砲でした。
５番サード・長谷川 拳伸（３年）
秋の大会.428（42打数18安打）、１本塁打、16打点。
バランスの取れた体型でチャンスに強い打撃が売りでした。
６番ファースト・小板 慎之助（３年）
前年夏の甲子園ではクリーンナップを打っていました。
２試合とも安打を記録しています。
秋の大会では.410（39打数16安打）、10打点とコチラも4割越え。
８番キャッチャー・夏川 風真（２年）
北信越大会ではほとんど出番はありませんでしたが、秋の神宮大会で代打タイムリー。
甲子園ではスタメンマスクでしたね。
180センチ85キロの立派な体格、彼が入ってさらに打線に厚みが出ました。
日本航空石川・３枚の投手陣
打撃ばかりに目が行きがちですが、投手陣も揃ってます。
①杉本 壮志（３年）
前年夏の甲子園・１回戦で登板、１イニング投げて２安打３奪三振。
あれから安定感が増して、チームのエースになりました。
⑩大橋 修人（３年）
彼も前年夏の甲子園で登板しています。
２回５安打３失点だったのですが、球速は145キロをマークしました。
⑪重吉 翼（２年）
このセンバツ大会の膳所戦で先発して好投しました。
秋の大会では背番号18でしたが、センバツでは11番でした。
・・・
・・・・・・
んで、この強力な日本航空石川に膳所がどうやって立ち向かうのか…。
それが問題だ…。
2018年センバツ 膳所ー日本航空石川
膳所『データ野球』で立ち向かうわ！
膳所高校は県下No.1の進学校です。
その彼らが導き出した答えが『データ野球』です。
当時少し話題になりましたね～。
データ班
膳所高校野球部には野球部員とは別にデータ班と呼ばれる部隊があり、対戦相手のデータをもとに作戦を練っていきました。
また練習方法も短時間で最大の効果が出るように工夫されていました。
野球は確率のスポーツです。
日本航空石川の打撃陣がどんなに強い打球を飛ばしても、野手の正面に飛ばしてしまっては意味がありません。
膳所のデータ班のデータには、どの選手の打球がどれくらいの確率でどの方向に飛ぶか…。
綿密に計算されていました。
そしてこのデータ班の生徒さんは、ほとんど野球経験がなかった事も驚きでした。
極端な守備シフト
見よこの守備陣形を。
特に外野陣は極端にセンター側に寄っています。
試合の序盤は膳所先発の手塚投手の力投、そしてこの守備シフトが功を奏してあの強打の日本航空石川を無失点に抑えます。
これがサードゴロ
見るからにショートゴロに見えますが、実はサードがこの打球を処理しているんですね～～。
はつらつ膳所ナイン
膳所は初回に満塁のチャンスを迎えるも後続が凡退。
３回にも、１番の石川主将がヒットで出塁して盗塁。
スコアリングポジションにランナーを進めますが、後続が凡退で無得点。
日本航空石川打線は膳所のエース・手塚投手のゆっくりしたモーションにタイミングが合わず、なかなか押し切れません。
先制は日本航空石川
序盤は互角の展開でしたが、試合は４回裏に動きます。
日本航空石川は１死１塁から４番・主砲の上田選手が大きな当たり…。
膳所データ班のデータ通り、野手の正面…と思いきや後逸してしまい２塁打に。
１点を先制します。
さらに続く５番の長谷川選手がレフトへタイムリーで２－０。
日本航空石川はそれまで１安打と打ちあぐねていた膳所・先発の手塚投手をようやく攻略することに成功します。
その後はワンサイドに…
中盤以降
中盤以降は日本航空石川の打線が爆発！
膳所のバッテリーミスなども重なり６回、７回に追加点。
３番・原田選手が大活躍
日本航空石川は３番の原田竜聖選手が大当たりで５打数４安打１打点。
４番の上田優弥選手は５打数２安打２打点、５番・長谷川拳伸選手３打数１安打１打点と自慢のクリーンナップトリオ合わせて13打数７安打４打点と、評判通りの打撃を見せました。
膳所は４安打完封負け
一方の膳所は日本航空石川の３投手の前に４安打完封負け。
特に先発した日本航空石川の重吉翼投手は７回97球で被安打４、７奪三振でした。
膳所先発の手塚投手は一人で投げ切りましたが中盤以降打ち込まれてしまいました。
試合は10ー０で日本航空石川が初戦を突破しました。
その後の日本航空石川
膳所に大勝した日本航空石川は次の３回戦の神宮大会王者・明徳義塾（高知）に原田選手の逆転サヨナラ３ランでベスト８しますが、準々決勝の東海大相模（神奈川）に１－３で敗れて優勝はなりませんでした…。
まとめ 2018年センバツ 膳所ー日本航空石川
2018年春のセンバツに出場した膳所高校を紹介しました。
終わってみれば大敗になりましたが、中盤まで互角の展開。
さらに膳所のデータ野球など、記憶に残る試合だったのではないでしょうか？
この日、甲子園には33,000人の観衆が詰めかけました。
膳所アルプス席の白地にZの文字が今も頭に焼き付いております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。
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