前年2023年、彦根総合に主役の座を譲った近江でしたが、2024年春のセンバツ大会に2年ぶりに登場。
山田陽翔選手を擁して準優勝した2022年以来、2年ぶりにセンバツの舞台に帰ってきました。
今回は2024年春の第96回選抜高校野球大会に出場した近江高校にスポットをあてました。
2024年第96回センバツ大会・近江
前年(2023年)夏の甲子園初戦で敗退した近江は(2-7大垣日大)は、新チーム結成後、秋季大会を勝ち進み優勝して近畿大会に進みます。
近畿大会準々決勝で敗れる…。
1回戦 〇2-0興国(大阪)
準々決勝●0-1京都国際
1回戦 近江2-0興国
エース・西山恒誠投手が76球で完封勝利。
打線は2桁安打を放つも、2得点に終わり得点力不足が懸念されました。
準々決勝 近江0-1京都国際
勝てばセンバツ出場当確になる大事な準々決勝。
西山投手が前の試合に続いて快調!
しかしチャンスは作るものの決定打が出ない近江はゼロ行進…。
押し気味に試合を進めるも、サヨナラ負けを喫してしまいセンバツ出場は微妙な状況になってしまいました。
2024年1月26日 吉報届く
しかし迎えた1月26日の夕方ごろ 、近江高校にセンバツ出場の知らせが届きましたね。
近畿6枠のうち、一番最後の6枠目に近江高校が選出され、晴れて2年ぶり7度目の出場が決まりました。
履正社との比較
選考では履正社(大阪)との比較になりました。
自力では履正社が上回ると目されていましたが、西山投手を中心にした投手力・守備力が評価されたのと、履正社が近畿大会で優勝した大阪桐蔭と同じ大阪府、さらに近畿大会準々決勝での負け方が悪かったこともマイナスに響き、近江が選出されました。
近江・西山恒誠投手
近江のエース・西山恒誠(こうせい)投手は身長180センチの本格派右腕。
最速143キロのストレートと縦に落ちるスライダーが大きな武器です。
近畿大会では2試合完投して1失点。
三振を取るというよりは、早いカウントから打たせて取るピッチングが持ち味です。
近江サッカー部
2024年1月、全国高校サッカー選手権で準優勝した近江高校。
そのサッカー部に続け!とばかりに地元彦根市では、野球部にも期待が高まっていました。
センバツ大会 近江ー熊本国府
第96回選抜高校野球大会に出場することになった近江は3月8日の組み合わせ抽選会で秋の九州大会王者・熊本国府(くまもとこくふ)高校と対戦が決まりました。
大会初日(3月18日)の第3試合で激突しました。
熊本国府高校
熊本国府高校は昭和16年に女子学校としてスタートした私立校になります。
1995(平成7)年に男女共学化、野球部創部は2006(平成18)年です。
野球部創部19年目で念願の甲子園出場を果たしました。
山田祐揮監督
熊本国府の山田祐揮(ゆうき)監督は31歳。
2019年に熊本国府高校に赴任、2021年に同校の監督に就任しました。
自身は同じ熊本の名門・熊本工業の外野手として2年時(2009年)の夏に甲子園出場されています。
2009年夏・第91回全国高等学校野球選手権大会
熊本工4-5三重(延長10回サヨナラ負け)
山田祐揮さんは試合の途中から出場されています。
九州大会優勝
熊本県は九州学院や秀岳館などが有名ですが、熊本国府は県内でも強豪校に数えられるチームでした。
秋季熊本大会で優勝すると続く九州大会でも優勝し、春夏通じて初の甲子園出場を決定づけました。
1回戦 〇6-2飯塚(福岡)
準々決勝〇7-6大分舞鶴(大分)
準決勝 〇7-1神村学園(鹿児島)
決勝戦 〇5-1明豊(大分)
エース・坂井理人
エースの坂井理人(さかい まさと)投手は直球は130キロ台ですが、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップなど多彩な変化球を絶妙なコントロールで投げ分けられる好投手です。
秋の大会は58イニング投げて、防御率は2.17。
打たせて取るタイプの投手です。
オリックス・バファローズから2024年、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸投手そっくりのすり足投法が特徴です。
2番手・植田凰暉
植田 凰暉(うえだ ごうき)投手は左の変則投法。
九州大会・準決勝では神村学園相手に1失点完投勝利。
坂井投手との2枚看板です。
5番ライト・岡本悠生
秋の公式戦、.444(36打数16安打)、1本塁打、9打点。
九州大会・準々決勝の大分舞鶴戦では逆転サヨナラタイムリー。
打線のキーマンです。
7番ショート・山田颯太
坂井・植田両投手ともに打たせて取るタイプだけに、内野の守備が大事になってきます。
その守備のキーマンはショートの山田選手。
難しい打球を再三さばいて来ました。
このように今回の近江と熊本国府は守り主体のチーム同士という事で、ロースコアの接戦になるというのが大方の予想でした。
試合が始まったわ!
2024年3月18日、大会初日第3試合、近江と熊本国府の試合が始まりました。
先発投手は近江・西山投手、熊本国府・坂井投手のエース対決です。
初回、近江先制ならず…。
近江は1回表に先頭の森島海良(かいら)選手がヒットで出塁、その後3番・嶋村隆吾(りゅうご)選手のヒットなどで2アウト1・3塁のチャンスを迎えますが、ダブルスチール失敗でチェンジ…。
ここで先制点欲しかったですね…。
3回表・近江先制も
0-0で迎えた3回表、近江はツーアウトから1番・森島海良選手がツーベース。
続く2番・岡本一倖(いっこう)選手がライト前に落として近江が先制します。
その後に3番・嶋村隆吾選手も続きますが、後続が凡退。
ツーアウトからというのが痛かったですね…。
3回裏・熊本国府追い付く
1点を先制された熊本国府はすかさずその裏、3番、2年生の内田海(うちだ うみ)選手の左中間ツーベースで1-1の同点に追いつきます。
内田選手は2年生ながらチーム1の長打力でクリーンナップを担う打者です。
14奪三振の西山投手
近江のエース・西山恒誠投手はスライダーが鋭く、熊本国府打線から14三振を奪いますが、球数が多いのが少し気になりました。
いつもの早いカウントから打たせて取る、スイスイピッチングが出来なかったようです。
熊本国府の守備力
近江の西山投手に負けず、熊本国府の坂井投手も好投します。
特に内野守備陣は鉄壁でしたね。
試合はこのまま膠着状態で終盤を迎えます。
熊本国府、植田投手にスイッチ
1-1で迎えた8回表の近江の攻撃、熊本国府はピッチャーを2番手の植田投手にスイッチします。
その代わり端、先頭の森島海良選手が四球で出塁すると、その後3番・嶋村隆吾選手がバントヒット。
嶋村隆吾(しまむら りゅうご)選手は昨年の夏も2年生で甲子園でスタメン出場していましたね。
チームのムードメーカー的な役割も務める明るい性格の選手で、この日は猛打賞の大活躍でしたね。
8回表、ワンアウト1・3塁、近江は願ってもない勝ち越しのチャンスを迎えます。
スクイズ失敗と連続三振
チャンスで4番・大石尚汰選手がスクイズを外されて、3塁ランナーが挟まれます!
しかし、なんとか戻りきって、命拾い…。
ワンアウト2・3塁とチャンスが続きましたが4番・大石選手、5番・森島佑斗選手が連続三振を喫し無得点で終わります。
9回表もチャンス逃す…。
8回にチャンスを逃した近江は9回表にも勝ち越しのチャンスを迎えます。
7番キャッチャー・高橋直希選手のヒットを足掛かりに2死2塁。
9番、2年生の山中悠斗(れふと)選手が上手くライト線に運びますが、ギリギリ数センチのところで惜しくもファール…。
その後、三振に終わり無得点。
山中悠斗(やまなか れふと)選手はセンス抜群、2年生でショートのレギュラー。
秋の大会では再三好プレーを連発。
また打撃面でも5割近い打率をマークしており、今後の活躍が期待されています。
明暗分けた延長10回タイブレーク
タイブレークに突入した延長10回表、無死1・2塁から近江は1番・森島海良選手が送りバント失敗、続く2番・岡本選手がショートゴロダブルプレーでチェンジ。
それに対し熊本国府は10回裏、同じく無死1・2塁から3番・内田選手がキッチリ送りバントを成功させ、近江の西山投手にプレッシャーを与えていきます。
近江の西山投手は投球数が160球を超え、定評のあった制球力も無くなりつつありました。
4番の中嶋選手に粘られたあげく四球を与えて1死満塁。
つづく5番・岡本選手に投じた3球目が暴投になり、ランナーがホームイン!
延長10回サヨナラゲーム、2-1で熊本国府が近江を下しました。
まとめ 2024センバツ 近江ー熊本国府
2024年春、第96回選抜高校野球大会に出場した近江にスポットをあてました。
前年夏の甲子園で2年生投手として2イニング投げた西山恒誠投手中心のチームでしたが、打撃陣の決定打不足は深刻でした。
夏に打撃面を鍛えて帰ってきて欲しいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。