滋賀県の北部の大部分を占める長浜(ながはま)市は現在、年間観光客数約200万人をほこる県下有数の観光地です。
しかし、この長浜駅前が観光地としてにぎわいをみせたのは実は平成に入ってだいぶ後のことで、昭和末期の長浜駅前の体たらくときたら・・・。
そんな長浜駅前低迷期に、郊外にまばゆい光を放っていた施設がありました。
それが今回お伝えする『長浜楽市(ながはまらくいち)』です。
「え~~!ただのショッピングセンターじゃないか~!!」などと思ってるそこのアナタ!
長浜楽市こそ駅前不遇時代に少しの間だけ、駅前に取って代わって長浜市の文化を支えた立役者なのですよ。
長浜市の文化の中心が・・・駅前→長浜楽市→再び駅前へ・・・。
近年、長浜楽市は西友ストアをのぞく主力店舗が続々と移転しています。
もしや、閉店してしまうのか!?
今回は少しの間だけ輝いた、儚かった長浜楽市黄金時代と長浜楽市の今後について紹介しましょう。
西友長浜楽市店の今後
長浜楽市は昭和末期の1988年(昭和63年)の3月末に長浜市の八幡東町にオープンしました。当時駅前にあった西友ストアーと駅前の地元商店が移転して長浜楽市としてスタートしました。
その後、二度のリニューアルを経て現在『西友と46の専門店』として営業しています。
閉店の噂は?
2016年にユニクロが閉店(現在は別の場所で営業)、さらに2022年には無印良品が近隣のアルプラザ長浜店に移転、2023年2月にはニトリが閉店(国道8号を挟んだ向かいの小堀町に移転オープン)と目玉店舗が続々と移転。
一時は長浜楽市自体が閉店するのでは・・・との噂もありましたが、西友ストアもあるので当面閉店はなさそうですね。
ちなみに長浜楽市の南側、駐車場から道路を挟んだ場所に、長浜市の人気ラーメン店、麵ダイニング・まさゆめがあります。
ココの特濃・鶏そばが絶品なのでぜひお立ち寄りください。
こってりラーメン好きな方は必ずやみ付きになりますよ~。
小堀町の躍進
長浜楽市は長浜市八幡東(やわたひがし)町に所在します。
しかし近年、国道8号バイパスを挟んで向かい側の小堀(こぼり)町がどんどん発展しています。
長浜楽市の中にあったニトリも無印良品も向かいの小堀町に移転するのはなんとも皮肉な話ですね…。
リンクカフェ
小堀町にあるリンクカフェ、大きなハンバーガーが魅力的ですよ~。
タイ料理・ピヌロ
リンクカフェ同様に近年小堀町にオープンしました。
長浜楽市の概要
住所 | 長浜市八幡東町9-1 |
---|---|
電話 | 0749-65-0111 |
営業時間 | 年中無休・24時間 |
駐車場 | 773台(無料) |
アクセス | 長浜駅から車で10分・徒歩30分 |
公式HP | 長浜楽市公式HP |
昔の長浜楽市の栄光の歴史と衰退
ここからは長浜楽市の歴史を見ていきましょう~。
長浜楽市の栄光の歴史動画
昭和末期・長浜駅前の低迷
長浜楽市を語るとき、当時の駅前の低迷ぶりを説明しなければいけません。
豊臣秀吉の時代から、この地は長浜城の城下町として栄えてきたのですが、昭和末期になると駅前商店街が軒並みシャッター街となってしまいます。
曳山祭りと長浜城
昭和末期はまだ黒壁スクエアなんてものは存在せず、長浜駅周辺の見どころといえば毎年4月に開催される伝統行事の曳山祭り(ひきやままつり)と1983年(昭和58年)に復元された長浜城のある豊公園(ほうこうえん)くらいなものでした。
鳴り物入りで復元された長浜城でしたが、天守が国宝の彦根城に比べるとやはりハリボテ感は否めず、駅前活性化の切り札にはなりえませんでした。
ちなみに余談ですが、ハリボテといえば駅前に長浜タワーなるものが存在します。
コレは昭和33年に完成した東京タワーに対抗して建てられたというだけで、電波塔の役目をした事はなく、しかもロゴのスペルが間違ってます(笑)。
長浜を代表するB級お笑いスポットになっています。長浜市来訪の際はぜひお立ち寄りくださいね。
集結するショッピングセンター
当時の駅前といえば、駅の向かいに五階建ての平和堂長浜店、同じく五階建てのショッピングセンター・パウ、さらに長浜ストアー、そして後に長浜楽市の中核を担う西友ストアーなどなど…ショッピングセンターが集結していました。
それ以外はほとんど空洞化していた…そんな状態でした。
ちなみにもっと東側にはサンモールなんてのもありましたね。
そんな中、西友ストアーと地元商店のいくつかが移転の動きをみせるのですが。
冷ややかだった黒壁のスタート
実は長浜楽市オープンの同時期に、駅前の町おこしとして黒壁(くろかべ)事業が市と民間企業7~8社の第三セクター事業としてスタートするんです。
黒壁ガラス館がオープンしても反応はいまいちで、『黒壁なのに、なぜガラス!?』、『そもそも長浜とガラス、何の関係もないやん!!』などなど、冷ややかでした。
町おこしの話を地元商店に持ち掛けるも、そっぽを向かれ西友ストアーとともに移転されてしまいます。
いや~、今をときめく黒壁にもこんな時代があったんですね。
…そのくらい当時の長浜駅前は衰退していました。
長浜楽市オープン、黄金時代へ!
そんな駅前をよそに1988年(昭和63年)・3月末日、西友ストアーと地元出店のテナントを引っさげて華々しくオープンしました。
ちょうどバブル全盛期でしたね。
毎週イベントがあり、有名人・タレントも多数来られました。ラジオのスタジオなんかもありました。
ちょっと懐かしいのでいろいろ振り返ってみましょう!!
青い屋根の下インフォメーション
迷子になると場内放送で『〇〇様がお待ちです。青い屋根の下インフォメーションにお越し下さいませ。』のアナウンス。
この、『青い屋根の下インフォメーション』…って言い方が、なぜか病み付きになりました(笑)。
どデカいゲームセンター
今は東の駐車場になっていますが、当時はこの辺りに2階建ての大きなゲームセンターがありました。
複雑な通路
無駄にややこしい通路もバブル時代ならではですかね?(笑)
寿がきやとロッテリア
この辺りはラーメンの寿がきやとロッテリアがありました。
先端がフォークみたいになってるスプーン、懐かしいな…。
ドライブインシアター
車の中で映画見るやつです!!
オープンから遅れること1~2年後くらいに始まり、1998年(平成10年)に終了しました。
楽らくバス
(画像提供・DISCOVER→JAPAN、ラビット様)
駅から少し遠いのがネックだったのですが、心配ご無用!
当時は、赤い車体の楽らくバスが市内を循環してました。
ちなみに上の画像で、バスの向こう側にはかつての長浜ロイヤルホテル(現・ホテル&リゾーツ長浜)が見えますね~。
弁財天
長浜楽市の入口(西側)の近くにある弁財天は、竹生島から分社したものでオープン当時からあります。
その他の施設
焼肉の天壇(てんだん)、ちゃんこ蔵間、洋蘭園、おもちゃのヒーロー…などなど色々ありましたね。
動画の方にも懐かしい映像、少し紹介しているのでぜひご覧になって下さいね。
長浜楽市、黄金期の終焉
1988年にオープンした長浜楽市は当時大盛況で、一気に長浜市民の文化の中心になりますが、90年代中盤には下降線をたどることになります。
それには原因があります。
では、そのお方にご登場願いましょう!!
ではどうぞ!!
アルプラザ長浜店でございます。(1996年11月オープン)
さらにその5年後には長浜I.Cの近くにジャスコ長浜店(現イオン)オープン。
2度のリニューアルも
これで完全に客足を奪われた長浜楽市は以後2度のリニューアル(2006年、2016年)を試みるも大勢に影響なく現在は普通のショッピングセンターとして営業しています。
駅前の復活
長浜楽市が活況に沸いていた1990年代初頭、長浜駅に新快速電車の乗り入れが決定し、追い風が吹きだした駅前の町おこしはその後も地道な活動を展開。
2000年代に入ると多くの観光客が流れ込み、今では県下有数の観光地に成長しました。
長浜市の覇権を長浜楽市から奪還した形になりました。
まとめ 長浜楽市の栄光と今後
かつて黄金時代を迎えた長浜楽市を紹介しました。
長浜楽市が輝いた時期は短く儚いものだったけれども、ゆえに今でも多くの方の印象に残っているのではないでしょうか?
この記事を読んで、懐かしんでいただけたら嬉しく思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。